《元禄花の兄弟 赤垣源蔵》歌词

[00:00:00] 元禄花の兄弟 赤垣源蔵 - 島津亜矢 (しまづ あや)

[00:00:11] 詞：北村桃児

[00:00:23] 曲：春川一夫

[00:00:35] 酒は呑んでも

[00:00:41] 呑まれちゃならぬ

[00:00:47] 武士の心を 忘れるな

[00:00:57] 体こわすな源蔵よ

[00:01:02] 親の無い身にしみじみと

[00:01:10] 叱る兄者が懐かしい

[00:01:27] 迫る討入り この喜びを

[00:01:40] せめて兄者に よそながら

[00:01:49] 告げてやりたや知らせたい

[00:01:55] 別れ徳利を手に下げりゃ

[00:02:02] 今宵名残りの雪が降る

[00:02:18] 兄のきものに盈々と

[00:02:27] 差して呑み干す酒の味

[00:02:38] 「兄上

[00:02:40] もはや今生のお別れとなりました

[00:02:43] お顔見たさに来てみたが

[00:02:45] 源蔵此れにてお暇仕りまする」

[00:02:56] 兄の屋敷を立ち出でる

[00:03:03] 一足歩いて立ち止まり

[00:03:09] 二足歩いて振り返り

[00:03:14] 此れが別れか見納めか

[00:03:22] さすが気丈の赤垣も

[00:03:27] 少時佇む雪の中

[00:03:31] 熱い涙は

[00:03:46] 止めどなし

[00:03:58] 「かくて果てじと気を取り直し

[00:04:00] 饅頭笠を傾けて 目指す

[00:04:05] 行手は両国か

[00:04:11] 山と川との合言葉

[00:04:14] 同じ装束勇しく

[00:04:17] 山道ダンダラ火事羽織

[00:04:20] 白き木綿の袖じるし

[00:04:25] 横川勘平武林が大門開けば赤垣は

[00:04:31] 宝蔵院流九尺の手槍

[00:04:35] りゅう!としごいてまっさきに

[00:04:38] 吉良の屋敷に踏込んだり

[00:04:42] されど東が開け初めても未だに

[00:04:46] 解らぬ吉良殿在処

[00:04:49] さすがの大石内蔵之助

[00:04:52] 天を仰いで嘆く時

[00:04:54] 誰が吹くやら呼子の笛

[00:04:59] 吉良の手を取り引い出し

[00:05:01] 吹くは

[00:05:04] 赤垣源蔵なり

[00:05:20] 一夜

[00:05:29] 開くれば十五日

[00:05:32] 赤穂浪士が 引揚げと

[00:05:35] 聞くより兄の塩山は

[00:05:39] もしや源蔵がその中に

[00:05:44] 居りはせぬかと立ち上り

[00:05:47] 「市助!市助はおらぬか!」

[00:05:50] 「市助赤穂浪士が今引揚げの最中

[00:05:53] たしか弟が その中に居るはずじゃ

[00:05:56] そなた早よう行って

[00:05:57] 見届けてきて呉れ!

[00:05:58] もしも源蔵が居たならば

[00:06:01] 隣近所にも聞こえる様に

[00:06:03] 大きな声で叫んでくれ よいか!」

[00:06:07] もしも居らないその時は

[00:06:12] 小さな声で儂にだけ

[00:06:15] 知らせてくれよ頼んだぞ

[00:06:21] 祈る心で待つ裡に

[00:06:26] 転がる様に戻り来て

[00:06:30] 「ヤァー源蔵さまが

[00:06:33] 居りましたワイ」

[00:06:39] 嬉し泪の塩山は

[00:06:44] 雪を蹴立てて 真っしぐら

[00:06:48] 仙台候の御門前

[00:06:51] 群がる人をかき分け かき分け

[00:06:56] 前に進めば源蔵も

[00:07:00] 兄は来ぬかと背延びして

[00:07:03] 探し求めている様子

[00:07:08] 「源蔵!」

[00:07:09] 「兄上か!」

[00:07:12] ひしと見交わす顔と顔

[00:07:23] 固く握った手の中に

[00:07:26] 通う血汐の温かさ

[00:07:30] 同じ血じゃもの肉じゃもの

[00:08:02] 夢を果した男の顔に

[00:08:14] 昇る旭が美しや

[00:08:23] 笑顔交して別れゆく

[00:08:29] 花の元禄兄弟

[00:08:36] 今朝のお江戸は日本晴れ